Classici giapponesi con furigana
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ラクダイよこちょう
ラクダイ横町
岡本 良雄
Leggi ラクダイ横町 (ラクダイよこちょう) di 岡本 良雄 (おかもとよしお) in giapponese con furigana. JLPT N4. Tocca una parola per il significato.
N4 · base · kanji e kana moderni · 6189 caratteri · 13 schermate
先生のうすいオーバーのすそが、風にまくれてうらがえり、先生のぼうしが、とびそうで、とびそうで……。けれども、そのときに、先生がどんな話をされたのか、ほとんど、おぼえていなかった。そしてただ、黒い海面を、あとから、あとから、走ってくる白い波と、いつやむともわからない強い風とが、いのきちたちの心をひきさらっていた。
いのきちや、いのきちの友だちは、波うちぎわに、ごろごろころがっている、大きなにぎりめしほどある石が、波にあらわれて、すっかり、たまごのようにまるくなっているのにおどろいて、それを一つずつもって帰った。
「石におどろけ――ということばがあるが……。」
と、山の村へ帰ってから、先生が話をされた。
「これは、ロダンという彫刻家のいったことばなのだ。そのへんにころがっている石の、一つ一つがもっている形と色、その一つ一つに、おどろきの心を失ってはいけないということなのだ。――ところが、きみたちは、ほんとうに、日本海の石におどろいたらしいね。」
先生は、こういって、わらわれた。そして、いのきちは、そのときのまるいたまごのような石を、だいじに、つくえのひきだしにしまっていたが、それを見るたびに、心が強く海にひかれるのだった。