Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ラしのふえ
ラ氏の笛
松永 延造
Leggi ラ氏の笛 (ラしのふえ) di 松永 延造 (まつながえんぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8706 caratteri · 18 schermate
彼れの頬はやつれはてて、風で乾いた泥のように、色沢を失い、彼れの眼は空虚の中に尚お何者かを探し求める如き冷い光を見せていた。
と、彼れは私の口を大きい指で指さしつゝ、
「何か話して……」と、嘆願した。
この一語は疑いもなく、彼れの心中の寂寥を暗示しているものに他ならなかった。私は先ずその一事に心を打たれた。そして全く結果というものを考慮に入れる暇もなく、自然と次の如き意味を、整わぬ英語で口走った。
――病んでいる事は不幸である。然し、健康なものが悉く幸福であろうか。私は今の先、一人の工夫が余りな生活難のため、発作的に気を取り乱し、丁度其処へ走って来たトラックの車輪の下へ態と手を差し込んで、レールを俎に、四本の指を断ち切って了ったのを見た。その各々の指からは一尺ずつの高さに血がほとばしった。彼れは、今、病院の外科室で治療を受けている。不幸な者が決して貴兄一人でない事を知ったならば、貴兄は何んなに日毎を気軽く過し得るだろう。何故なら、「不幸」も数多集まれば、何かしら強力なものとなるのだから。――
以上の言葉を聞いたラオチャンドは俄かに声を隠して泣いた。