Classici giapponesi con furigana
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レモンのはなのさくおかへ
レモンの花の咲く丘へ
国枝 史郎
Leggi レモンの花の咲く丘へ (レモンのはなのさくおかへ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.016 caratteri · 142 schermate
(沈黙)けれども、いよいよ明日の晩には、あの音楽堂の競技場で、一切が現われ総てがかたづくだろう。
従者 一切が現われ総てがかたづくとはどう云うわけでござります。
領主 女子をまどわす、誘惑の本体が現われると云うことさ。(心配気に)女子の心が俺の方へ従うか、誘惑の主に従うか、総て、明日の晩、あの音楽堂の中で決定ると云うことさ。
従者 明日の晩、あの音楽堂で、お殿様が諸国へふれを出して呼び集めた名高い音楽家が、各自お得意の音楽を奏するのだとは聞いておりましたが、それが誘惑の主を現わす手段であるのでござりますか。
領主 その通り。諸国から集った音楽家の中に、めざす悪魔がいる筈だ。
従者 どんな姿をしておりましょう。
領主 紫の袍を着て、桂の冠をかぶり、銀の竪琴を持った年の若い音楽家で、騎士よりも気高い様子に見えると云うことだ。そして其奴の好んで弾く曲は、短嬰ヘ調で始まる、「暗と血薔薇」と云う誘惑の曲だと申すことだ。
従者 紫の袍を着て、桂の冠をかぶり、銀の竪琴を持った年の若い音楽家でござりますか。
領主 (頷き)そういう風をした音楽家が女子の心をとらかして、不貞の罪を犯させる誘惑の本体だ。