Classici giapponesi con furigana
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おもいで
ロッパの悲食記
古川 緑波
Leggi ロッパの悲食記 (おもいで) di 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.651 caratteri · 114 schermate
僕が、そこを覚えたのは、もう二十年近くも以前のことだろう。それから戦争で閉鎖となり、又終戦後一度復活したのだが、又閉店して、今は同じ名前だが、キャバレーになってしまった。
ヴェルネクラブの、安くてうまい洋食は、先ずそのランチに始まった。むかしランチは確か一円だったと思う。それでスープと軽いものと、重いものと二皿だった。
それは、此の辺に勤めている外国人、日本人の喜ぶところで、毎日の昼食の繁盛は、大変なものだった。
ランチも美味かったが、ヴェルネさんに特別に頼んで、別室で食わして貰ったフランス料理の定食は、今も思い出す。何処までも、フランス流の料理ばかり。そして、デザートには、パンケーキ・スゼット。
それが、戦争になって、材料が欠乏して来ると、ヴェルネさんは嘆いていた。
「ロッパさん、(それが、フランス式発音なので、オッパさんというように聞えた)むずかしい。沢山、むずかしい」
そう言って、両手を拡げて、処置なしという表情。材料が無くなり、ヤミが、やかましくなって、彼の商売は、沢山むずかしくなって来た。
やがて閉鎖した。
此の間、何年か相立ち申し候。