Classici giapponesi con furigana
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おもいで
ロッパの悲食記
古川 緑波
Leggi ロッパの悲食記 (おもいで) di 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.651 caratteri · 114 schermate
(それは、戦前とても同じではあるが)となると、安くないからなあ。今の僕の身分と致しましては、一寸考えちまった。それが、此の三月のことである。スポンサーが附いた(つまり、万事奢ってくれる人が出来たこと)。行ってみようじゃないかということになって、而も、東京から、彼スポンサー氏の自ら運転する自動車(無論自家用のパリだ)で、富士屋ホテルの玄関へ、堂々と到着した。
まことに、いい気持であった。
玄関で、自動車を下りた途端に、四辺を見廻しながら、
「うーん、昔のまんまだねえ」
と言ってしまった。戦災を受けていないから、当りまえである。そして、花御殿という離れの一室に、落ち着いたのであるが、さて然し、此処の食堂も昔のまんまだろうか、と心配になって来た。
昔の、富士屋ホテル。
ここで、溶暗――溶明。
昭和十五年の、僕の食日記が登場する。昔の富士屋ホテルの姿である。
一月三十一日 夕方、宮の下富士屋ホテル着。夕食=白葡萄酒(ソーテルン)小壜一本。オードヴルが、実によく、ビフテキ、プディング、美味し。
二月一日 朝食=オレンジ・ジュース、オートミール、煎り卵、コーヒー、トースト。