Classici giapponesi con furigana
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ヴィヨンのつま
ヴィヨンの妻
Leggi ヴィヨンの妻 (ヴィヨンのつま) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.363 caratteri · 112 schermate
何せ、あのような、変った気象の人なので」
と言いかけて、言葉がつまり、落涙しました。
「奥さん。まことに失礼ですが、いくつにおなりで?」
と男のひとは、破れた座蒲団に悪びれず大あぐらをかいて、肘をその膝の上に立て、こぶしで顎を支え、上半身を乗り出すようにして私に尋ねます。
「あの、私でございますか?」
「ええ。たしか旦那は三十、でしたね?」
「はあ、私は、あの、……四つ下です」
「すると、二十、六、いやこれはひどい。まだ、そんなですか? いや、その筈だ。旦那が三十ならば、そりゃその筈だけど、おどろいたな」
「私も、さきほどから」と女のひとは、男のひとの脊中の蔭から顔を出すようにして、「感心しておりました。こんな立派な奥さんがあるのに、どうして大谷さんは、あんなに、ねえ」
「病気だ。病気なんだよ。以前はあれほどでもなかったんだが、だんだん悪くなりやがった」
と言って大きい溜息をつき、
「実は、奥さん」とあらたまった口調になり、「私ども夫婦は、中野駅の近くに小さい料理屋を経営していまして、私もこれも上州の生れで、私はこれでも堅気のあきんどだったのでございますが、道楽気が強い、というのでございましょうか、田舎のお百姓を相手のケチな商売にもいや気がさして、かれこれ二十年前、この女房を連れて東京へ出て来まして、浅草の、或る料理屋