Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひとつぼかん

一坪館

海野 十三

Leggi 一坪館 (ひとつぼかん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.902 caratteri · 56 schermate

Aozora Bunko

ヘーイさんですね」源一は顔をまっ赤にしてさけんだ。

「そのとおり、ぼくはヘーイさんだよ。おもいだしたね」

将校の大きなからだが、足をひきずりながら源一にぶつかるようによって来たと思うと、源一の手は、相手の大きな手の中につつみこまれそしてはげしくふられた。

「ヘーイさんだったのか。こんなところであうなんて……」

「ぼくは日本がすきだったから、志願をしてやって来たのさ」

「将校でしょう。見ちがえちゃったな」

「そうだろう。むかし、夜おそく君んところの店をたたきおこして、時間外に、酒やかんづめを出してもらったときの、のんべえのヘーイさんとは、すこし服装がかわっているからね。しかしねえゲンドン、中身はやっぱりあのときと同じヘーイさんだよ。安心してつきあっておくれ。おもしろい話が、うんとあるよ」

そういってヘーイ少佐は、大きなこえで笑ったが、とたんに、

「あいたタタタタ――」

と顔をしかめた。大きく笑ったのが傷口にひびいたためであった。

そのとき看護婦たちがヘーイ少佐に、早く中へ入って手当を受けるようにとすすめなかったなら、少佐はまだまだゲンドンと思い出話をやめなかったことだろう。