Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いっせきわ

一夕話

芥川 竜之介

Leggi 一夕話 (いっせきわ) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5921 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

色の白い、優しい目をした、短い髭を生やしている、――そうさな、まあ一言にいえば、風流愛すべき好男子だろう。」

「若槻峯太郎、俳号は青蓋じゃないか?」

わたしは横合いから口を挟んだ。その若槻という実業家とは、わたしもつい四五日前、一しょに芝居を見ていたからである。

「そうだ。青蓋句集というのを出している、――あの男が小えんの檀那なんだ。いや、二月ほど前までは檀那だったんだ。今じゃ全然手を切っているが、――」

「へええ、じゃあの若槻という人は、――」

「僕の中学時代の同窓なんだ。」

「これはいよいよ穏かじゃない。」

藤井はまた陽気な声を出した。

「君は我々が知らない間に、その中学時代の同窓なるものと、花を折り柳に攀じ、――」

「莫迦をいえ。僕があの女に会ったのは、大学病院へやって来た時に、若槻にもちょいと頼まれていたから、便宜を図ってやっただけなんだ。蓄膿症か何かの手術だったが、――」

和田は老酒をぐいとやってから、妙に考え深い目つきになった。

「しかしあの女は面白いやつだ。」

「惚れたかね?」

木村は静かにひやかした。

「それはあるいは惚れたかも知れない。あるいはまたちっとも惚れなかったかも知れない。