Classici giapponesi con furigana
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かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Leggi 一房の葡萄 (かじとポチ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 23.753 caratteri · 48 schermate
て日を過ごしていました。
そのうちに長い夏もやがて末になって、葡萄の果も紫水晶のようになり、落ちて地にくさったのが、あまいかおりを風に送るようになりますと、村のむすめたちがたくさん出て来てかごにそれを摘み集めます。摘み集めながらうたう歌がおもしろいので、燕たちもうたいつれながら葡萄摘みの袖の下だの頭巾の上だのを飛びかけって遊びました。しかしやがて葡萄の収穫も済みますと、もう冬ごもりのしたくです。朝ごとに河面は霧が濃くなってうす寒くさえ思われる時節となりましたので、気の早い一人の燕がもう帰ろうと言いだすと、他のもそうだと言うのでそろそろ南に向かって旅立ちを始めました。
ただやさしい形の葦となかのよくなった燕は帰ろうとはいたしません。朋輩がさそってもいさめても、まだ帰らないのだとだだをこねてとうとうひとりぽっちになってしまいました。そうなるとたよりにするものは形のいい一本の葦ばかりであります。ある時その燕は二人っきりでお話をしようと葦の所に行って穂の出た茎先にとまりますと、かわいそうに枯れかけていた葦はぽっきり折れて穂先が垂れてしまいました。燕はおどろいていたわりながら、