Classici giapponesi con furigana
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かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Leggi 一房の葡萄 (かじとポチ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 23.753 caratteri · 48 schermate
やがて武士が申しますのには、
「二人は早く結婚したいのだけれどもたいせつなものがないのでできないのは残念だ。それは私の家では結婚する時にきっと先祖から伝えてきた名玉を結婚の指輪に入れなければできない事になっています、ところがだれかがそれをぬすんでしまいましたからどうしても結婚の式をあげることはできません」
おとめはもとよりこの武士がわかいけれども勇気があって強くってたびたびの戦いで功名てがらをしたのをしたってどうかその奥さんになりたいと思っていたのですから、涙をはらはらと流しながら嘆息をして、なんのことばの出しようもありません。しまいには二人手を取りあって泣いていました。
燕は世の中にはあわれな話もあるものだと思いながらふと王子をあおいで見ますと、王子の目からも涙がしきりと流れていました。燕はおどろいてちかぢかとすりよりながら「どうなさいました」と申しますと王子は、
「きのどくな二人だ。かのわかい武士の言う名玉というのは今は私のひとみになっている、二つのオパールの事であるが、王が私の立像を造られようとなされた時、私のひとみに使うほどりっぱな玉がどこにもなかったので、たいそう心をいためておいでなさると悪いへつらいずきな家来が、それはおやすい御用でございますと言ってあのわかい武士の父上をおとずれてよもやまの話の