Classici giapponesi con furigana
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ひとつぶのしんじゅ
一粒の真珠
小川 未明
Leggi 一粒の真珠 (ひとつぶのしんじゅ) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2096 caratteri · 5 schermate
「勇坊、きょうは、お母さんはどんなあんばいだな?」と、いってくれるものもあれば、
「お米でも、塩でも、私たちの家にあるものなら、なんでもいっておくれ。」と、いってくれるおかみさんたちもありました。
しかし、母親の病気だけは、いまは売薬ぐらいではなおりそうでなかったのです。
「これは、お医者にかけなければなるまい。」と、近所の人々も口には出さぬが、頭をかしげていました。
「お母さん、苦しい?」と、勇吉は、母親のまくらもとにつききりで、気をもんでいましたが、なんと思ったか、急に立ち上がって、
「僕、お医者さまを迎えにいってくる!」といいました。
「勇坊、町からきてもらうには、すぐにお金がいるのだ。それも、すこしの金でないので、私たちも、こうして思案しているのだ。」と、一人の老人がいいますと、
「それに、あの町の医者ときたら、評判のけちんぼうということだからな。」と、いうものもありました。
「僕、なんといっても、お母さんを助けなければならん。無理にも迎えにいって、つれてくるよ。」と、勇吉は、はや提燈に火をつけて、家を飛び出しました。外は真っ暗で、ただ、ヒュウヒュウという、吹雪のすさぶ音がするばかりでした。