Classici giapponesi con furigana
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ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
Leggi 一足お先に (ひとあしおさきに) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.200 caratteri · 79 schermate
という数字が見えるのは、私の年齢に相違無い事が直覚されたのであった。
私はソレを見ると、心の底からホッとした。
何を隠そう私は、これが見たいばっかりに、わざわざ病室を出て来たのであった。午前中に同室の青木だの、柳井副院長だのから聞かされた「足の幽霊」の話で、スッカリ神経を攪き乱された私は、もう二度と「足の夢」を見まい……今朝みたような気味のわるい「自分の足の幻影」にチョイチョイ悩まされるような事になっては、とてもタマラナイ……とスッカリ震え上がってしまったのであった。……のみならず私は、この上に足の夢を見続けていると、そのうちに副院長の話にあったような、片足の夢中遊行を起して、思いもかけぬ処へ迷い込んで行って、飛んでもない事を仕出かすような事にならないとも限らないと思ったのであった。……私たち兄妹は、早くから両親に別れたし、親類らしい親類も別に居ないのだから、私の血統に夢遊病の遺伝性が在るかどうか知らない。しかし、些くとも私は、小さい時からよく寝呆ける癖があったので、今でも妹によく笑われる位だから、私の何代か前の先祖の誰かにソンナ病癖があって、それが私の神経組織の中に遺伝していないとは、誰が保証出来よう。