Classici giapponesi con furigana
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みっつのひふん
三つの悲憤
豊島 与志雄
Leggi 三つの悲憤 (みっつのひふん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8748 caratteri · 18 schermate
木蓮の花が式場一面に飾られ、むせかえるような芳香でありました。遠くから迎えられた大禅師が読経一切を指揮しました。
葬儀万端、盛大に滞りなくすみまして、その夜、さめざめと泣いてる中敏と、すやすや眠ってる二歳の子供との枕頭に、阮東は腕を組んで、いつまでも坐っていました。中敏が泣き疲れて眠ってからも、なお夜通し坐っていました。眼を見据え、眉根をよせて、何か或る想念を、幻像に喚起しようとしてるかのようでありました。時々、酒をのみました。
夜の明け方、彼は胸から一片の紙を取出しました。紙には、「誓約を返上し、後事を委托す。」と認めてありました。范志清がかねて用意していたものとみえて、その死体の内隠しの中から見出されたものでした。阮東はその文字をじっと眺め、それから、火桶の火に紙をくべました。黒い煙が、そして次に白い煙が、ゆらゆらと立昇りました。――その誓約というのが、どういうことだか、誰も知りませんでした。ただ、後で范志清のことを語る阮東の言葉のはしから察すれば、死体を共にするというほどの普通のことらしく思われるのでした。
その翌日、阮東は突然、奇怪な行動をとりました。