Classici giapponesi con furigana
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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
Leggi 三人の双生児 (さんにんのそうせいじ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.806 caratteri · 87 schermate
あたくしも思わず貰い泣きをいたしました」
と速水女史までもが、新派劇どおりに目を泣き腫らしたのだった。
「一体これはどういう事情だったんです」
と妾はいつまでも鼻をかんでいる速水女史に尋ねた。
「いえもうそれは、たいへん混み入った話になりますが、今日はちょっとかい摘んで申上げます」
と饒舌女史が語りだした省略話をもう一つ省略して述べると、次のような事情であると分った。
――速水女史が徳島の安宅村というところへのりこんできいてみると、妾の母の勝子はもちろん死んでいて問題の幼童――つまり静枝のことを聞きだすべくもなかった。それから伯父の赤沢常造のところに静枝がいたということであるから、これを質してみたが、自分のところに、その幼童をちょっと預かったことはあるが、間もなく母の勝子が連れだしたまま行方不明になってしまって、自分は知らないという。そこで村の故老などにいろいろ聞きあわした末、その幼童が静枝という名を名乗って、徳島市の演芸会社の社長の養女に貰われていたところをつきとめて、それで無理やりに東京へひっぱって来たのである。向うでも永く離したがらないので、四五日滞在したら、なるべく早く帰郷するようにと、養父の銀平氏から頼まれて来たというのであった。