Classici giapponesi con furigana
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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
Leggi 三十年後の世界 (さんじゅうねんごのせかい) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.140 caratteri · 137 schermate
計算によると、あと二週間で、火星に達するあたりまで、新月号は近づいた。
火星の姿が、地球から見る満月の倍くらいの大きさに見えるようになった。
しかし、火星の輪郭も、ぼんやりとしている。全体が赤橙色にぬられていて、なんだかうす汚い。黒緑色の線が、網をかぶったように走りまわっているのも見える。極のところには白冠が、ひときわ明るく光っている。
まちがいなく火星は、指呼の間に見えているのだった。
艇長室では、幹部の間に、火星のうわさがとび交っている。
「モウリ博士。あなたは火星へ行かれたことがありますか」
「いや、こんどがはじめてですよ。しかしかねがね行ってみたくて、研究はしていましたよ。火星は、実に興味の深い星ですね」
「そうですとも。昔からさわがれ、そして今も一番人気のある星ですね」
「マルモさん。あなたは、火星へ何回ぐらい行ったんですかい」
「行ったというと、上陸したという意味ですか。それなら、二回だけです。そして、どっちの場合も大失敗でした。上陸する間もなく、生命からがら離陸しなくてはなりませんでした。火星は全く苦手です」
「あんたでも、そうなのかね。これは意外だ」