Classici giapponesi con furigana
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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
Leggi 三十年後の世界 (さんじゅうねんごのせかい) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.140 caratteri · 137 schermate
林の中の怪
正吉とキンちゃんとが火星の砂漠の上に立って、空気かぶとを両方からよせあって、なにかしきりに話をしている。
二人とも、専門技術者ではないので、本艇の修理には役に立たない。だからいまちょっとひまなわけである。
ちょっと二人の話を、聞いてみよう。
「ねえ、ちょいと。あっしといっしょに、あそこまで行って下さいな。いいじゃないかね」
キンちゃんが正吉にねだっている。
「いってやっでもいいが、そんな気味のわるい林のところへいって、なにをするつもりだい」
正吉が、うしろの巨木の林をさしていう、その巨木は、地球の木とはちがい、ぼそぼそしたやわらかい下等な植物のように見えた。それはどことなくスギナやシダるいに似ていた。しかもその幹はたいへん太いものがあって、人間が四、五人手をつないでも抱ききれないほどのものもあった。キンちゃんは、その木のそばへ行ってみたいというのだ。
「あっしゃね、あの木が、料理をすれば、けっこう食べられるように思うんだ。ちょいとそれを調べてみたくてね。もし、うまく火星料理ができたら、第一番にお前さんに食べさせてあげるよ。だから、ちょっと行って下さい」