Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんじゅうねんごのせかい

三十年後の世界

海野 十三

Leggi 三十年後の世界 (さんじゅうねんごのせかい) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.140 caratteri · 137 schermate

Aozora Bunko

それは正吉にとって、めずらしい風景だった。

巨木が重なりあって生えている。池のふちには、きみょうな形の葉がはえしげっている。水はどんよりと赤い。その水の中に、何か泳いでいる。小さな魚のようでもあり、そうでなく両棲類か爬虫頚のようでもある。それがモの下から出たりはいったりしている。

「おやッ」

正吉は、とつぜん声をあげた。彼はあやしい大きな魚を見つけたのである。大きさは正吉ぐらいある魚が、大きな頭を他の中からぬっともたげたのである。二つのぎょろぎょろ目玉。ほっそりした肩には、うろこが光っていた。肩のそばに左右に生えているヒレをぶるぶるとふるわせると、大きな口をあいて、正吉の方をにらんだ。口の中は、まっ赤であった。

こんどは正吉の方がぶるぶるッとふるえて、その場に立ちすくんだ。いったいその奇魚はなんであったろうか。

にらむ怪魚

正吉のおどろきの声に、こんどはキンちゃんがおどろいてうしろの林の中からかけつけた。

「どうしたい、ちびだんな」

「しいッ」

正吉は、キンちゃんにさわぐなと知らせた。

「ええッ。気味のわるいことだ」

と、キンちゃんは、どろ棒ネコのように腰を低くし、草むらを分けてそろそろと正吉の方へ近づいた。