Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志
吉川 英治
Leggi 三国志 (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 161.356 caratteri · 323 schermate
冀州の動揺はいうまでもない。
「ここまで、敵を入れては、勝ち目はないぞ」
と、青州、幽州、并州の軍馬は、諸道から黎陽へ出て、防戦に努めた。
けれど曹軍の怒濤は、大河を決するように、いたる所で北国勢を撃破し、駸々と冀州の領土へ蝕いこんで来た。
袁譚、袁煕、袁尚などの若殿輩も、めいめい手痛い敗北を負って、続々、冀州へ逃げもどって来たので、本城の混乱はいうまでもない。
のみならず、袁紹の未亡人劉氏は、まだ良人の喪も発しないうちに、日頃の嫉妬を、この時にあらわして、袁紹が生前に寵愛していた五人の側女を、武士にいいつけて、後園に追いだし、そこここの木陰で刺し殺してしまった。
「死んでから後も、九泉の下で、魂と魂とがふたたび巡り合うことがないように」
という思想から、その屍まで寸断して、ひとつ所に埋けさせなかった。
こんな所へ、三男袁尚が先に逃げ帰ってきたので、劉夫人は、
「この際、そなたが率先して父の喪を発し、ご遺書をうけたととなえて、冀州城の守におすわりなさい。ほかの子息が主君になったら、この母はどこに身を置こうぞ」と、すすめた。
長男の袁譚が、後から城外まで引揚げてくると、袁紹の喪が発せられ、同時に三男の袁尚から大将逢紀を使いとして、陣中へ向けてよこした。