Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志

吉川 英治

Leggi 三国志 (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 161.356 caratteri · 323 schermate

Aozora Bunko

「ほ。……何というているか」

「劉皇叔こそ、民のために生れ出て下された当世の英雄じゃ、まことの仁君じゃと」

「はははは」――曹操はわざと高く笑って、

「田野の黄童や白叟が何を知ろうぞ。あれは沛郡の匹夫に生れ、若くして沓を売り、莚を織り、たまたま、乱に乗じては無頼者をあつめて無名の旗をかざし、うわべは君子の如く装って内に悪逆を企む不逞な人物。地方民をだましては、地方民を苦しめて歩く流賊の類にすぎん」

「……はてのう。媼が聞いている世評とは、たいそう違いすぎまする。劉玄徳さまこそ、漢の景帝が玄孫におわし、尭舜の風を学び、禹湯の徳を抱くお方。身を屈して貴をまねき、己を粗にして人を貴ぶ。……そうたたえぬものはありませぬがの」

「みな玄徳の詐術というもの。彼ほど巧みな偽君子はない。そんな者にあざむかれて、万代に悪名を残さんよりは、今もいうた通り、徐庶へ手紙を書いたがよかろう。のう老母、ひと筆書け」

「さあ? ……それは」

「何を迷う。わが子のため、また、そなた自身の老後のために。……筆、硯もそこにある。ちょっと認めたがいい」

「いえ。いえ」

老母は、にわかにきつくかぶりを振った。