Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みうらろうじんむかしばなし

三浦老人昔話

岡本 綺堂

Leggi 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.637 caratteri · 224 schermate

Aozora Bunko

その時に、中間の半蔵が例の手段で駕籠をゆすぶって、駕籠屋から幾らかの揺すり代をせしめたことが主人に知れたので、今宮さんは腹を立てました。

「貴様は主人の面に泥を塗る奴だ。」

半蔵はさん/″\に叱られましたが、勇作の取りなしで先ず勘弁して貰って、霧雨のふる夕方に草津の宿に着きました。宿屋に這入って、今宮さんは草鞋をぬいでいる。家来どもは人足にかつがせて来た荷物の始末をしている。その忙しいなかで、半蔵が人足にこんなことを云いました。

「おい、おい。その具足櫃は丁寧にあつかってくれ。今日は危なくおれの首を入れられるところだった。塩っ辛え棺桶は感心しねえ。」

それが今宮さんの耳に這入ると、急に顔の色が変りました。草鞋をぬいで玄関へあがりかけたのが、又引返して来て激しく呼びました。

「半蔵。」

「へえ。」

何心なく小腰をかゞめて近寄ると、ぬく手も見せずと云うわけで、半蔵の首は玄関先に転げ落ちました。前の雲助の時とは違って、勇作もほかの中間共もしばらく呆れて眺めていると、不埓の奴だから手討にした、死骸の始末をしろと云いすてて、今宮さんは奥へ這入ってしまいました。

主人がなぜ半蔵を手討にしたか。