Classici giapponesi con furigana
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さんりょうきょう
三稜鏡
佐左木 俊郎
Leggi 三稜鏡 (さんりょうきょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.347 caratteri · 42 schermate
今度の事件――首無し死体事件――の被害者は、勿論、笠松博士の令嬢で、犯人は、笠松博士に相違ない。
笠松博士は私が令嬢の首を抱いてあの海岸から飛込んだことは知らずに、あの溝に飛込んだことだけを知っていて、首はあの溝の底にあるものと思い違いをして、令嬢の胴体や腕や脚を、同じ場所に投げ込んだのである。多分、それは、犯罪の一切を、私に転嫁しようとしたのであろう。併し、私がこうして生き残った上には、博士はどうしてもその罪からのがれることは出来ない。
=暗転=
「直ぐ行って博士を縛って下さい。若し博士をそのままにして置いたら、この先も、実験のために幾人もの人間が殺されるのは勿論ですし、何んなことをするかも知れないのです。早速行って縛って下さい」
青年は喘ぐようにしながら訴えるのだった。
「勿論それは放っちゃ置けない。それじゃ君と一緒に直ぐ行こう。それから君達も一緒に行ってくれ」
署長は立上りながらそう云って三人の刑事を顎でしゃくった。
「署長はおいでにならないでもよくないですか? 私達三人だけでも……」
「いや、儂も、一緒に行くよ」
署長は刑事の言葉を揉消すようにして云いながら、剣をつり、帽子を冠って、玄関口の方へ大股に歩いて行った。