Classici giapponesi con furigana
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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Leggi 不在地主 (ふざいじぬし) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.990 caratteri · 141 schermate
感じた。――健を見ると、軽く顎だけを、それも顎の先きだけを、分らない程に動かした。
「田口健です。」吉本が取次いだ。
「ウ――これか?」
一寸管理人を見て、それから側に坐っていた奥様と令嬢へ、「これが農場一の模範青年なんだぜ。」と云った。
「まア、しっかりやってくれ。――これからお前達が一番頼りだんだからな……。よしよし。」
そう云って顎だけを動かした。――管理人はもう次ぎを呼んでいた。
それだけ、それだけで終ってしまった。
健は身体中汗をグッショリかいていた。健は阿部と顔を合わせられなかった。カアーッと逆上せていた。――気おくれした、意気地のない自分を、紙ッ片れか何かのように、思いッ切り踏みにじってしまいたかった。
「のべ源」はもう酔払って、眼を据えながら、誰か相手でも欲しそうに見廻わしていた。
「健ちゃ、健ちゃ、健ッたら!」
健は返事をしなかった。
「健よオ! 何そったら不景気な面してるんだ。」
健はだまったまま、暗い外へ出て行った。
五
土方
大陸的な太陽が、ムキ出しな地面をジリ、ジリ焼いていた。陽炎が白熱した炎のように、ユラユラ立って、粗雑に敷設されたトロッコのレールが、鰻のように歪んで見えた。