Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふしぎなしま

不思議な島

芥川 竜之介

Leggi 不思議な島 (ふしぎなしま) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6348 caratteri · 13 schermate

Aozora Bunko

Cocked hat と云うのであろう。銀の縁のある帽子をかぶり、刺繍のある胴衣を着、膝ぎりしかないズボンをはいている。おまけに肩へ垂れているのは天然自然の髪の毛ではない。何か妙な粉をふりかけた麻色の縮れ毛の鬘である。僕は呆気にとられながら、返事をすることも忘れていた。

「わたしの望遠鏡をお使いなさい。これを覗けばはっきり見えます。」

老人は人の悪い笑い顔をしたまま、僕の手に古い望遠鏡を渡した。いつかどこかの博物館に並んでいたような望遠鏡である。

「オオ、サンクス。」

僕は思わず英吉利語を使った。しかし老人は無頓着に島の影を指さしながら、巧みに日本語をしゃべりつづけた。その指さした袖の先にも泡のようにレエスがはみ出している。

「あの島はサッサンラップと云うのですがね。綴りですか? 綴りはSUSSANRAPです。一見の価値のある島ですよ。この船も五六日は碇泊しますから、ぜひ見物にお出かけなさい。大学もあれば伽藍もあります。殊に市の立つ日は壮観ですよ。何しろ近海の島々から無数の人々が集まりますからね。……」

僕は老人のしゃべっている間に望遠鏡を覗いて見た。