Classici giapponesi con furigana
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ふしょうのあに
不肖の兄
豊島 与志雄
Leggi 不肖の兄 (ふしょうのあに) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.889 caratteri · 39 schermate
それに自分で気がついた時は、もう終演際だった。さすがに彼も気味悪くなって、先に出てしまおうとした。すると、相手の令嬢も後からついて来た。そして何とはなしに、二人で連れ立って、あの池の縁から観音堂の方へぬけようとすると、そこの暗がりから、三人の不良少年が飛び出して来て、いきなり短刀をつきつけた。俺達が預かってる大事な令嬢を、何で誘惑しようとするんだと、声は低いが図太く脅かしつける。女は平気で笑っていた。彼はもう一縮みになってしまった。
「そうして、」と僕は云った、「まあ何ですね、有り金そっくり巻き上げられるか、叩きのめされるか、傷をつけられるか、何れただではすまない。」
「まあー、浜地さんが、そんな目にお逢いなすったんですか。」
だが、それは実は、浜地の話じゃなかった。僕が或る不良少年から聞いた話なんだ。
「いや、浜地も、今にそんな目に逢いそうな男ですぜ。それと云うのも、何だっけな、精神的に汚れてるから……ねえお母さん……。」
「止せよ。いい加減にしないか。」
食後の茶を飲みながら、煙草を吹かしていた兄は、本当に腹を立てたらしかった。
「止せと云うなあ、降参したしるしだな。