Classici giapponesi con furigana
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ふしょうのあに
不肖の兄
豊島 与志雄
Leggi 不肖の兄 (ふしょうのあに) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.889 caratteri · 39 schermate
「一体その話はどの辺まで進んでるんです。」
「どの辺までって、ただ、加藤さんからそういう話があっただけなんですよ。そして、わたしも兄さんも、浜地さんならよかろうと思ってるんですがね……。」
「そして、敏子はどうなんです。」
「承知のようですよ。」
「浜地は。」
「勿論承知でしょうよ。浜地さんの家から加藤さんへお話があったらしいんですから。」
「それじゃ文句はないじゃありませんか。本人同士がよければ、何にも云うことはない。僕も賛成です。何でしょう、もう浜地と敏とは愛し合ってるんでしょうね。」
「ええ……。」
おや、と僕は思った。母は何か知ってるんだな、というより、何かあったんだな、そう僕は母の様子から感じた。変に言葉尻を濁して、僕の顔色を窺ってるのだ。僕は少しうっかりしてたかも知れない。然し、浜地は僕の親友であり、お前は僕の妹であるが、そのお前達二人の間を監視するほど、僕の頭は暇じゃなかった。僕はただお前達二人が仲のよいことだけを知って喜んでいた。或は愛し合うようなことになるかも知れないと、ふと思ってみたこともあるにはあるが、結婚なんてことは僕の考えの範囲外だった。