Classici giapponesi con furigana
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りこんについて
与謝野晶子評論集
与謝野 晶子
Leggi 与謝野晶子評論集 (りこんについて) di 与謝野 晶子 (よさのあきこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.402 caratteri · 100 schermate
それはきっとそれらの主張者である少数の青年学徒たちやそれを共鳴する一部の青年たちの真実の要求であるでしょうが、それが社会の各部門における代表者たちの生活に何ほどの刺戟と利益とを与えているかと思うと、思想家の主張は実際に活動している社会と今なお概ね没交渉であって、如何に熱心と真理とを以て叫ばれた事でも、それが改革運動となって実現されるに非常に縁の遠いものであることを知って憮然たらざるを得ません。この事は毎月毎日の新聞雑誌へ真面目に筆を執っている人たちの斉しく実感せられる所であろうと思います。
私は弛緩した日本人の生活の一例に、現代の世界的大勢に刺戟せられて特に倫理的に緊張したという様子のないのを挙げたく思います。最近に三宅雄次郎博士は『東京朝日』紙上で故乃木将軍の遺書が伯爵寺内正毅氏に由って書き替えられたと公言せられ、また同時に男爵後藤新平氏の私有財産は二千万円に達している、それは後藤氏の労働から収得した正当な報酬であるかと詰問されております。これらの事件が欧米の社会で公言されたならば、二氏の人格は破滅してその首相たり内相たる地位から永久に失脚するか、あべこべに摘発者の三宅博士が裁判沙汰によって公人の生活から放逐せられるかして、いずれかの一方が由々しき倫理的制裁を受けずには已まないでしょう。