Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

Leggi 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) di 牧 逸馬 (まきいつま) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 251.305 caratteri · 498 schermate

Aozora Bunko

アドルフ・ホテリングは、家庭的なのんびりした顔で、何思うともなく椅子に掛けている。

「何か御用ですか」

にこにこして、起ち上った。

刑事達は、困って、肩を擦り合わして戸口に立ち停まっている。魔誤まごし乍ら、三人とも、右手から左手へ、それから逆に、続け様に帽子を持直して許りいるのだ。

「署の者ですが――」

やっとペイルソルプが、口を切った。相手は大工ではあるが、聞えた敬神家で、衆望を集めている教会の長老である。一青年の愚にも付かない夢に関連して、滅多な事は言えないのだ。そういった顧慮以外に、三人は、心からの尊敬をも篤信家ホテリングに対して有っていた。

「鳥渡或る事で、最近の御動静をお洩らし願い度いんですが――形式なんです。ほんの形式なんです」

謝まるような口調だ。ホテリングは、宗教的な人に共通の静かな威厳をもって、

「お易い御用です。然し、最近の動静と言っても、実は、お恥しい次第ですが失業して、この二週間程ぶらぶらしている丈けで――精ぜい彼方此方仕事口を探しておりますが」

長老の穏やかな態度には、元より何ら警戒的なところなど見られない。よく来たと言い度そうな、開けっ拡げの微笑なのだ。