Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふたおもてくらべぼたん

両面競牡丹

酒井 嘉七

Leggi 両面競牡丹 (ふたおもてくらべぼたん) di 酒井 嘉七 (さかいかしち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.317 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

と、いわれるのでございます。すると、

「ほんに、そういたしましょう」

と、三味線を宿のお女中さんに、おかりいたしまして、お稽古人の機嫌を取りながら、お稽古するのでございます。こうした事は、分限者の御新造さんで隠居さまがたを、お稽古人にもっていられる長唄や清元のお師匠がたには、ありがちの事ではございますもののわたくし風情の、小唄の師匠にとっては、ほんに、めずらしいことでございました。丁度、それからの、一、二週間は、お稽古は休みでございましたし、母もすすめて呉れましたので、私は、このご親切な申出を、お受けいたしたのでございます。ところが、そうと定りますと、私への御祝儀としてでございましょうか、美しい島原模様に染め上げた、絞縮緬の振袖と、絵羽模様の長襦袢、それに、絞塩瀬の丸帯から、帯じめ、草履にいたるまで、すっかり揃えて下さったのでございました。――かように申しますれば、どれほど私が喜んで御隠居さまの、お供をいたしましたことか、お分りでございましょう。

旅だちの日が参りますと、私は、頭の先から足の先まで、御隠居さまから贈っていただいた品物で装いまして、家を出たのでございます。