Classici giapponesi con furigana
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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
Leggi 中井正一評論集 (ちょうさきかん) di 中井 正一 (なかいまさかず) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.229 caratteri · 256 schermate
しかし、探偵小説のもつ構造はそれとも異なるところのものをもっている。それは常に犯人が誰であるか? すなわち犯罪の主体の探求である。そこに第一にはそれが償いがたき罪であり、罪の構成の取り扱いであることが特殊の情趣をもつ。すなわち、罪の情趣は取りかえしがたき過去、その過去のゆえに、今在りながら現在に安らうことのできぬ寂しき魂の放浪、しかも、その過去は鋭い射手によって狙われたる釘づけにされたる烙印である。その全体がもっている時のリアリズムの構造が全人類の底の共犯者の意識、原罪の追放の悩みにまでその軌路の一端を涵している。傷つける野獣がその傷口を舌をもってなめるように、人類はその罪をなめたい。罪をなむる意識、それは存在の嘆きであり、形而上的共犯者の僅かな慰めである。罪の情趣の中には常に存在的なものがともなっている。
まず第一に探偵ものの構造にはこの罪の情趣の構造がまつわっている。ヴァン・ダインが指摘するごとく、死体の出現は、この罪の情趣に加えるにふさわしい背景である。罪と死。それはハイデッガーによれば存在の原型を構成するとしもいわれる。
第二にはその罪の解剖にあたって、用いらるるメスがあくまで鋭く直截的であることである。