Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
Leggi 中井正一評論集 (ちょうさきかん) di 中井 正一 (なかいまさかず) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.229 caratteri · 256 schermate
あのダンテの時代は、中世紀の、今から思えば、政治的に実にばかばかしいことばかりおこなわれていた時代である。ダンテもその愚劣を驚嘆し、嘆いていたであろうが、どうもできず、どうすることもできない自分の愚劣さにも驚嘆し、嘆いたであろう。
一体人間は、二つの魂の誕生をもっているといえよう。世界がこんなに美しく、世の中がこんなに面白いものかと驚嘆する時がある。これが第一の誕生である。そしていつか、それとまったく反対に、人間がこんなに愚劣であったのか、また自分も、こんなに下らないものだったのかと驚嘆し、驚きはてる時がある。これが第二の、魂の誕生なのである。しかし、この時、人々は、ほんとうの人生を知ったというべきであろう。またほんとうの芸術家は、この人生を知る時から、その作風がしっかりしたものとなるのである。
ダンテもこの愚劣きわみなき人生と、愚劣きわみなき自分に驚いて、こんな場面を着想したのではあるまいか。切られた自分の首を提灯にして歩いている、ゾッとするような地獄を書いたのであろう。人々は、この場合を見て、ぞっとするほどの、ほんとうの自分によって切り捨てられたる自分、その首によってのみ、ほんとうの命にふれる自分の運命に面して、戦慄するのである。