Classici giapponesi con furigana
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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Leggi 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 179.458 caratteri · 363 schermate
見ると、それはさきに盗難に逢った金で、その封も元のままになっていた。
「この金が欲しいのか」と、男は訊いた。
「頂戴が出来れば結構でございますが……」と、役人は恐る恐る答えた。
「なにしろ疲れたろう。すこし休息するがよい」
ひとりの男が彼をまた案内して、奥まったひと間へ連れ込み、一旦は扉をしめて立ち去ったが、やがて食事の時刻になると、立派な膳部を運んで来てくれた。それでも役人の不安はまだ去らないので、日の暮れ果てるのを待って、そっとうしろの戸をあけてあたりを窺うと、今夜は月の明るい宵で、そこらの壁のきわに何物かが累々と積み重ねてあるのが見える。よくよく透かして視ると、それはみな人間の鼻や耳であったので、役人は気が遠くなるほどに驚かされた。しかし容易に逃げ去るすべはあるまいと思われるので、ただおめおめと夜のあけるのを待っていると、彼は再び主人の男の前によび出された。男はやはりきのうの通りの姿で、彼にむかって言い渡した。
「あの金をおまえにやることは出来ない。しかしお前の迷惑にならないように、これをやる。持って帰って上官にみせろ」
何か一枚の紙にかいた物をくれたので、役人は夢中でそれを受取ると、ひとりの男がまた彼を案内して、三日の後に元の場所まで送り帰してくれた。