Classici giapponesi con furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Leggi 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 122.039 caratteri · 248 schermate
グイ松も沢山あった。この土地へくると、グイ松は高さ三、四尺がとまりで、葉はもう真黄色になっていた。どれも高山植物に特有な、ととのった形をしていて、そのまま盆栽になるような姿であった。みずごけの中には、実生のグイ松も沢山あった。背丈けが四、五寸にも達しないこれらの可憐なグイ松も、すっかり黄葉していた。みずごけの薄緑と、すぎごけの藍白とが地の色をなし、その中にいそつつじの褐色とグイ松の黄がまじり、木フレップの真赤な実が点綴されているこの景色は、全体に夕暮の錆びを帯びていた。それは、中欧の古城に秘められた、ゴブランの壁掛けを連想させる景色であった。
その外にも、名の知れぬ高山植物めいた草が、灌木のかげなどに沢山あった。考えてみれば、これらは皆雑草なのであるが、その中に下り立った者の眼には、周囲の景色が、雑草の一本もないよく手入れされた庭園のように見えた。私たちは、その中を遠くまで歩いて行った。ツンドラの草原は、どこまで行っても、清潔で美しかった。京都の苔寺の庭から人間的要素を全部取り去ったならば、この晩秋のツンドラの原に似たものになるであろう。
陽が落ちて、地平線の上はまた薄紫に染り、その上が青磁色にぼけていた。