Classici giapponesi con furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Leggi 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 122.039 caratteri · 248 schermate
動物はもちろんのこと木も草もぜんぜん生えていない。一本の雑草もなく、苔も生えていないところであるから、虫一匹もここでは生きていけない。この生命のない世界は、山頂を中心として、約三十マイル四方に及んでいる。神奈川県より一まわり広い面積のところが、全部黒い熔岩の荒れ地で、ぜんぜん生命のない世界になっているのである。
もっとも黒いといっても、全部一色の黒ではない。熔岩の種類により、また流出年代によって、褐色、黄泥、薄緑などを基調にもった各種の黒の入り雑った模様が、熔岩流によって織り出されている。この景観に一層の妖気を添えるものは、真赤な口を開いた小噴火丘である。山腹のところどころに、シンダー・コーンと呼ばれる小さい旧噴火丘がある。空中に噴出された熔岩が、急冷されて金滓になり、それが円錐状に堆積したものである。円錐のまんなかには、噴火孔があって、上から見ると月の斑点のような形になっている。この噴火孔の内部だけは、多分冷却速度の関係かと思われるが、熔岩が真赤な色をしている。如何にも真赤な口をあけているという感じである。見渡す限りの景観はどうしても、われわれが住んでいる地球とは思われない。