Classici giapponesi con furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Leggi 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 122.039 caratteri · 248 schermate
ただ距離が遠いので、凹凸はぜんぜん感ぜられず、滑らかな肌の土地のようにみえる。そしてところどころに新しく流れでた熔岩の流れが、机の上にこぼれたインキのような形に、この平原を黒く染めている。
この鞍部地帯は、右も左も、きわめて、なだらかに、遥かなる海岸線にまでくだっている。右のほうには遠くヒロの町が見える。しかし本当にこの町が見えることは、めったになく、たいていの場合は、下層雲が海岸付近を厚く蔽っている。このあたりハワイ群島の海域では、季節風は東北風であって、太平洋の水気を集めた風は、濃い下層雲となって、島の東北部を、毎日のようにおおっている。それでヒロの町は、ほとんど連日驟雨に見舞われ、世界的にいっても、著しく雨の多いところになっている。
この下層雲は、季節風に乗って、鞍部地帯へ上ってくるが、雲の高さは、普通だいたい六千フィートくらいにきまっているので、この熔岩の原全体をおおうことはめったにない。マウナ・ケアは、いつでも、山裾にこの下層雲を曳いて雲上に聳えたっている。観測所も、もちろん雲の上に出ているので、ヒロの町は連日驟雨の中にあるのに、ここでは雲一つない青空である。