Classici giapponesi con furigana
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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
Leggi 中谷宇吉郎集 第一巻 (あかくら) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.056 caratteri · 223 schermate
「なるほど変だね、そうか、やっぱり実物を持ってこなくちゃ駄目だね。そんな位ならもっと早くからこの器械を利用すれば良かった。どうも、二十年もディメンションばかりいって探していたんだから、また諸君を喜ばせてしまったな」と先生は頭を掻かれる。その写真器というのは蛇腹が赤いのだから益々変っている。この赤い所がちょっと変っていますねと誰かが口を出すと、先生は「どうもこの蛇腹では大分軽蔑されるから、今度は一つ黒く塗ってしまう」といいながら、その店員をつかまえて、「ところでね、君このシャッターがちょっと妙でね、こう一々挺子で持ち上げるので不便なんだが、これを直して貰えないかな」と説明される。
店員は仔細らしくその写真器を調べている間に、先生は印画紙の見本に掲げてある額を眺めておられる。図柄は石の階段を下から大写しにしたものであった。店員が「この写真器はもう旧いから誰かにおあげになって、新しいのを御買いになった方が御得でしょう」という結論に達した頃は、先生はもうその方へ返辞はされずに、
「君、あの階段の磨り減り方がプロバビリティ曲線になっているなあ」と額を指差しておられる。