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Classici giapponesi con furigana

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いぎょ

中谷宇吉郎集 第七巻

中谷 宇吉郎

Leggi 中谷宇吉郎集 第七巻 (いぎょ) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.841 caratteri · 111 schermate

Aozora Bunko

私の家では、父が早く亡くなって、母が一人で、田舎で呉服屋をしていた。それで私と後に考古学をやった弟とを教育するのは、なかなかたいへんであった。溝淵先生にも、そういう話をしたかどうかは忘れたが、或る日、先生から、大学へ行ってからの学資について、相談があった。

関西の実業家で、全くの匿名で、学費を出したいという人があるが、それを貰わないか、という話なのである。毎年各高等学校の校長に依頼して、各校から一名宛、そういう学生の推挙を頼まれるのだそうである。金額は月額五十円で、三年間。返済の義務はもちろんなく、その実業家の名前は、本人にも知らさない、というのである。それでは返済のしようもないわけである。

当時の五十円といえば、今の二万円くらいに相当するであろう。

一流の下宿にいて、相当本も買い、時には映画を見たり、コーヒーをのんだりしても、五十円あれば充分という時代であった。あまり結構な話で、少し気味悪いくらいであったが、悪びれずに、有難く頂戴することにした。

ところで東大の物理学科に入り、下谷の池の端近くに住むことになったら、そこへ毎月、月末になると、五十円の為替が、きちんきちんと送られて来る。