Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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『せっかずせつ』のけんきゅう

中谷宇吉郎集 第二巻

中谷 宇吉郎

Leggi 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.098 caratteri · 172 schermate

Aozora Bunko

今度会って詳しい話をしたらきっと喜ぶことだろうと思う。しかし残念ながらこの研究にはやはりかなりの装置が要るので、画室の片隅でやるという工合には行くまい。しかし色々の墨の所蔵家のところを訪ねて名墨の墨色をあの墨色図鑑に収めて置くというような仕事もまた大切なのである。もっともそれはなかなかむずかしいことなので、前にN氏に会った時の話では、名墨の蒐集家は滅多に磨らせてくれないものだそうである。たとえ千円の墨としたところで一度に十銭も磨ることはないのであるが、それでもなかなか磨らせてもくれないし、本人もまた決して磨らないものだという話であった。それは墨の価値は墨自身の古さ以外に、磨り口の古さということで決るので、新しく磨ることは禁物なのだそうである。あまり意外な話なので思わず吹き出したら、N氏も一緒に笑い出した。名墨の科学的研究もまたむずかしいものである。

ところでこれらの名墨が手に入ったとして、それを磨って得た墨汁について寺田先生のされたような研究を行ったら、それで名墨の特性がすっかり分るだろうか。千古に秘められた墨色の謎はそれ位のことでは簡単に解かれはしないだろうという気もする。