Classici giapponesi con furigana
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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
Leggi 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.098 caratteri · 172 schermate
間借りをしている漁師の家から三丁位行くと小さい岬がある。そのあたりは一面の岩海で、岬の突端からほんの少し離れて小さい岩の島がある。その島の周りが吾々の漁場であって、章魚とかさごと栄螺とが主な獲物であった。毎日のように漁師の子供たちが大勢で追っ馳け廻しているにもかかわらず、魚たちもそのあたりが好きと見えて、獲物はいつまでも尽きなかった。海水浴についての衛生的注意などが学校でされていたのかも知れないが、そんなことはすっかり忘れてしまって、朝から夕方晩くまで水に浸っているようなことが多かった。吾々町の子供たちも一週間もすると、もうすっかり海に馴れてしまって、半日位夢中になって章魚やかさごを追っていた。
そのあたりは浪打ち際から一丁位沖まで、平らな岩礁があって、深さは大体二尋から三尋位であった。所々には背の立つような浅い所もあった。岩質は何であったか忘れてしまったが、顔を水につけながら海面にぼかりと浮いて下を覗くと、岩礁が紫がかった薄黄色に光って、所々に名も知れない雑多な藻がゆらいでいた。岩には上から見ると一面に海綿のような穴が沢山あった。二、三度大きい呼息を呼吸して、最後の息を八分位静かに呼き出したところでぐっと潜る。