Classici giapponesi con furigana
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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
Leggi 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.098 caratteri · 172 schermate
いつか、羅漢の像のような老人が、そういう風にして湯の中にねそべっているのに会ったことがある。こうしていると、長く湯にはいっていても酔わないが、それは人間は口や鼻からばかりでなく手脚の爪からも息をするからだと、その老人は真面目な顔をして説明してくれた。
こんなに長くそして度々湯に入ることは、今の医学から言ったら身体に悪いのだそうである。一昨年の秋、少し健康を害したので、家族をつれて伊豆のI温泉へしばらく引越して行ったことがある。その時友人のお医者さんにその点をくれぐれも注意された。何でもその友人の親戚の人とかが、温泉へ療養に行って湯に入り過ぎたために急に病状を悪化してしまったという話なのである。そういうことは、特に胸の病気の場合などに多いようであるが、一般の問題としても、あまり度々温泉に浸ることは、かなりの激労になるらしい。そういう話を思い合せて見ると、湯治の客たちがあんなに無茶な入湯のし方をして、それでいてよく効くと言っているのは、普段の労働が想像も出来ないくらい過激に陥っているので、この程度の入湯がちょうど良い安息になるのかも知れない。
こういう意味の湯治が一体本当に効くのかどうかは、誰も科学的にちゃんと立証した人はないだろうと思う。