Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんなやまのかい

丹那山の怪

江見 水蔭

Leggi 丹那山の怪 (たんなやまのかい) di 江見 水蔭 (えみすいいん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7168 caratteri · 15 schermate

Aozora Bunko

今日こそはこっちから話しかけて見ようと構えたけれど、鎮守の社内を出てからは、もう見えなかった。

この日は丹那だけの巡検で終り、再び山田家に泊ったが、またしても夜半に昨夜と同じ夢を見て唸された。高島田の娘が、縛られた様をしては泣くのであった。これはどうも部屋に祟りがあるのだろうと、そういう迷信を起さずにはいられなかった。しかるに翌日は田代村を巡検して、それから長崎村に廻り、ここの吉左衛門という庄屋の家に一泊したが、この日も同じく謎の男が駕の近くに出没した。それのみならず不思議なのは、ここでも又前夜と同じ様に、高島田の娘の夢を見た。すると山田の家にのみ祟るとは思えなかった。

「何か拙者に訴えるところでもあるのなら、遠慮なく申せ。聞いて遣わそう」それだけ云おうとしても喉に詰って、その苦しみで又うなされた。毎夜毎夜同じ夢を見つづけるのは、全く怪しい限りであった。

四

怪しい二つの事件は、どこまでもないまぜに続いた。次ぎの日の巡検にも、純之進の目にのみ月代の土気色をした若者の姿は見えた。その夜神益村の庄屋武左衛門の家でも、高島田の娘は行燈の影に坐って泣いた。