Classici giapponesi con furigana
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たんなやまのかい
丹那山の怪
江見 水蔭
Leggi 丹那山の怪 (たんなやまのかい) di 江見 水蔭 (えみすいいん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7168 caratteri · 15 schermate
けれどもここの旧家山田氏というのは、堂々たる邸宅を構え、白壁の長屋門、黒塗りの土蔵、遠くから望むと、さながら城廓の如くに見えるのであった。
ここにも村々から大勢出迎えていた。山田家の歓迎も一通りでなく、主人は紋服袴穿きで大玄関に出迎え、直ちに書院に案内して、先ず三宝に熨斗を載せて出して、着到を祝し、それから庄屋格だけを次の間に並列さして、改めてお目通りという様な形式に囚われた挨拶の後、膳部なども山中とは思われぬ珍味ぞろい。この家ではどうしても杯を手に持たせずには置かなかった。
「さぞ道中御つかれの事と存じまするで、今宵はどうかお早くお寝みを願いまする」
主人の挨拶を幸いに純之進は漸く奥まりたる一間に入るを得、ただ一人打くつろぐ事が出来た。
二
これで漸く楽になったと、純之進絹布の夜具の中に入ろうとすると、何者やらソロソロと襖を開いて入来った。見ると地方には稀な美しい娘であった。
これが恐ろしく小笠原流で――それで何をするのかと思うと、枕頭に蒔絵の煙草盆を置きに来たに過ぎなかった。
純之進は無言ったまま、娘に構わずに寝て終った。娘はまめまめしく布団の裾を叩きなどしたが、純之進から言葉が無いので、手持なく去った。