Classici giapponesi con furigana
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たんなやまのかい
丹那山の怪
江見 水蔭
Leggi 丹那山の怪 (たんなやまのかい) di 江見 水蔭 (えみすいいん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7168 caratteri · 15 schermate
真夜中に目を覚まして、もう女はいないだろうと、布団の襟から顔を出して見ると、絹張の朱骨丸行燈の影に、ションボリとして一人の娘が坐っていた。
おや、また来たのか。それとも先刻から立去らずにいるのかと、その判断に苦しみながら。
「お前は何しに来た」そう云って詰問したツモリなのだが、どうしたのか、喉から声が出なかった。それを無理に出そうとすると、その苦しさと云ったらないのであった。これでは未だ本当に目が覚めていないのではないかと心着いた。
けれども夢で見るとは思われない程、行燈の影の娘はハッキリしていた。衣物は黄八丈の襟付で、帯は黒襦子に紫縮緬の絞りの腹合せ。今までの石持染小袖の田舎づくりと違って、ズッと江戸向きのこしらえであった。
色紙縮緬を掛けた高島田が、どうしたのか大分くずれていた。ほつれ毛が余りに多過ぎる程、前髪と両鬢とから抜け出ていた。項垂れているので顔は能く分らないが、色の白さと云ったらなかった。透き通って見えるような。恐らく今まで来た娘の中で、一番美しかろうと想像されるのであった。
この娘は、純之進が目を覚ましたと知って、白い細い手の先を左右とも後へ廻して、縛られたような形をして、さもさも身内が痛むらしい挙動。