Classici giapponesi con furigana
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Leggi 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.344 caratteri · 96 schermate
なァに? よく聞えないけど……そんなこと言わしておく手はないって? 聞えたわ。あたしが叱られてるみたいね。あたしに腹をたててみたって、しょうがないじゃありませんか……それでね、咲子さん、これはべつな話なんだけど、あなたにおわびすることがあるの……いま言いますから、お先っ走りしないでちょうだい。モシモシ、聞いている? あのね、あたし、木津さんに志貴子を逢わしてやったのよ……やっぱり怒ったわね。あなたとしちゃ、木津さんをとるかとりかえされるかという、たいへんなところなんでしょうけど、泣き声をだすのはおよしなさいよ。情けなくなるわ……なぜかと聞かれても困るんだけど、あたしだって性のある生物ですから、腹のたつこともあれば、癪にさわることもあるのよ。志貴子ぐらいにいい気になられて、だまってひっこむわけにはいかないでしょう。一白庵の名残の茶会へひっぱりだして、逃げ場のないお茶室で、だしぬけに木津さんに逢わせてやろうと思っただけ……なによウ、そんな大きな声をだすのはよして。耳がガンガンするわ……面子はあなただけのことではないでしょう。軽蔑される点でなら、あたしだっておなじことよ……後のこと? カンカンになって居ましたもンですから、後のことまでは考えませんでしたの。