Classici giapponesi con furigana
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Leggi 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.344 caratteri · 96 schermate
公平な立場に立てば、公子と花世に罪があるかどうか容易に判定しかねるような性質のものだったから、当然、この二人は寺預けか贖銅(罰金刑。少々、高くつくであろうが)ぐらいですむはずだと、誰もみな安心しきっていたのである。
従三位藤原ノ朝臣泰文は「悪霊民部卿」という忌名で知られている藤原ノ忠文の四代の孫で、弁官、内蔵頭を経て大蔵卿に任ぜられ、安元二年、従三位に進んで中納言になった。比叡の権僧正である弟を除くと、兄弟親族はみなほとんど兵部に関係した職についていたが、泰文だけは異例で、若いころから数理にすぐれて、追々、大学寮の算博士も及ばないような算道の才をあらわした。大蔵卿になってからは、見捨てられていた荘園の荒蕪を処理して宮廷の収入を一躍倍にするという目ざましい手腕を見せたが、その間に抜目なく私財も積み、なお深草の長者太秦王の次女の朝霞子を豊饒な山城十二ヶ所の持参金つきで内室に入れるなど、ようやく三十になったばかりで、藤原一門でも指折りの物持になり、白川のほとりに方三町の地幅をとって、そのころまだ京都になかった二階屋の大第をかまえ、たいへんな威勢だったが、忠文の悪名は泰文の代になってもまだ消えず、そのためにだいぶ損をした。