Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Leggi 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.344 caratteri · 96 schermate
「こんど延が店をやってくれることになって、身体があいたからちょっと遊びにきたのさ」
「なんだか知らないけど、出すひとも出すひとだわ。たいへんだったでしょう。マルセーユではどうだったの」
「べつになんでもなかった」
「なんでもないことはなかったでしょう。でもよく気がついてあたしのところへまで電報をうったわね」
やすはへんな顔をして、
「なんの電報」
「あなたがマルセーユから電報をくだすったから、白耳義からこうしてお出迎いに罷りでたんじゃないの」
「それはあたしじゃない。滋さんの所書き日本へ忘れてきたから、うとうにもうちようがないじゃないの」
「でも、あなたのほかに誰が電報をうつというの」
やすもへんだと思ったか、解けきらない顔で、
「マルセーユじゃ、ちっとも心細い思いなんかしなかったのよ。税関がすんだので、なんとかいう旅行社のひとに駅まで送ってもらうつもりにしていると、どこかの奥さまがそばへ寄っていらして、お一人で日本から。よくまあねえ。さぞたいへんでしたでしょう。駅でしたらあたくしがお送りいたしましょう。ちょうど友達の車を持っておりますからっておっしゃるの」
「いい都合だったのね」