Classici giapponesi con furigana
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くだいめだんじゅうろうのくび
九代目団十郎の首
高村 光太郎
Leggi 九代目団十郎の首 (くだいめだんじゅうろうのくび) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2029 caratteri · 5 schermate
眼瞼の遊離縁も分厚く、内眥外眥の釣合は上りもせず下りも為ない。そして涙湖、涙阜が異様な魅力を以て光っている。下眼瞼の下に厚い脂肪層が一度陰影を作り、それから直ぐ鼻翼の上の強いアクサンとなる。此の目玉に隈を入れて舞台で彼が見得を切る時、らんらんと言おうかえんえんと言おうか、又城外の由良之助のように奥深くじっと見つめる時、それは世紀の奥を貫く眼だ。鼻梁は太く長いが、別に高くはない。高過ぎて下品になる鼻ではない。むしろなだらかで地道である。顴骨から鼻の両側に流れる微妙な肉、そして更に下顎に及ぶ間延びのした大顴骨筋と咬筋とそれを被う脂肪と、その間を縫うこまやかな深層筋の動きとは彼の顔に幽遠の気を与え、渋味を与え、或時は凄愴直視し難いものを与える。団十郎は鼻下長である。彼の長い鼻下と大きな口裂と厚い唇とはあらゆる舞台面上工作の根拠地である。彼の口辺の筋肉の変化と強い頤唇溝の語るところは筆で書けない。此所は造型上でも一番手こずる難所である。とにかく清正の髯は此所に楽に生え、長兵衛の決意は此所でぐっときまり、鷺娘の超現実性も此所からほのぼのと立ちのぼるのである。