Classici giapponesi con furigana
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がいらいごしょかん
九鬼周造随筆集
九鬼 周造
Leggi 九鬼周造随筆集 (がいらいごしょかん) di 九鬼 周造 (くきしゅうぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.312 caratteri · 27 schermate
敏子は山崎とも知合っているので村上はすぐにそこへ通させた。不幸な結婚をした出戻りではあるがまだ三十になったばかりの美しい敏子はかなり派手な着物をすらりとした身体に着こなして魅力の溢れた挨拶をした。しばらくしてから敏子は主人に
「あ、松葉がれいをどうもありがとうございました」
といった。主人は微笑しながら軽くうなずいた。酒に強くない山崎は僅か飲んだだけでもう少し酔い気味になっていたせいか
「松葉がれいですって?」
と口をすべらしたが、すぐに
「いや、よしておきましょう」
といって笑った。
山崎は腹の中ではこう思った。せっかく先生に上げようと思ってわざわざ国から取寄せて持ってきたものを気に入ってるこの敏子のところへすぐもうやってしまったと見えるな。かなり不似合な軽薄なことを先生もするのだな。自分が来たときしばらく待たせておいたのもその手配をするためだったのか。山崎はチラっとこんな念におそわれて少し不快を感じたが、万事につけて村上の心もちを呑込んでいる山崎はそんなことくらいを深くとがめる気にはならないですぐあっさり忘れて、その日は夕方まで敏子を中心に面白く話し合った。