Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こじきがくせい

乞食学生

太宰 治

Leggi 乞食学生 (こじきがくせい) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.682 caratteri · 68 schermate

Aozora Bunko

何も言えない。私の、たったいま投函したばかりの作品も、まず、そんなところだ。昨日雪降る。実に、どうにも、驚きました。どうにも、その、驚いたです。雨戸をあけたら、こう、その、まあ一種の、銀世界、とでも、等と汗を拭き拭き申し上げるのであるが、一種も二種もない、実に、愚劣な意見である。どもってばかりいて、颯爽たる断案が何一つ、出て来ない。私とて、恥を知る男子である。ままになる事なら、その下手くその作品を破り捨て、飄然どこか山の中にでも雲隠れしたいものだ、と思うのである。けれども、小心卑屈の私には、それが出来ない。きょう、この作品を雑誌社に送らなければ、私は編輯者に嘘をついたことになる。私は、きょうまでには必ずお送り致します、といやに明確にお約束してしまっているのである。編輯者は、私のこんな下手な作品に対しても、わざわざペエジを空けて置いて、今か今かと、その到来を待ってくれているのである。私はそれを知っているので、いかに愚劣な作品と雖も、みだりにそれを破棄することが出来ない。義務の遂行と言えば、聞えもいいが、そうではない。小心非力の私は、ただ唯、編輯者の腕力を恐れているのである。