Classici giapponesi con furigana
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ちちをさす
乳を刺す
邦枝 完二
Leggi 乳を刺す (ちちをさす) di 邦枝 完二 (くにえだかんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.474 caratteri · 35 schermate
「親分」
「何だ」
「あっしゃまだ、御殿女中の殺されたのア、見たことがねえんで。……きょうはひとつ、手柄を立てさしておくんなせえ」
「バカ野郎」
「おっと黒門町の。竹さんも連れて行こう。何か飛び廻ってもらうことが、あるに違えねえ」
「へッ、へッ。有難え。きっとあっしの鼻が、お役に立つことがありやすぜ」
獅子っ鼻の竹は、こう云ってからすそをくるりと捲った。
乳房の傷
「あ、北町の親分。御苦労様でございます。どうぞお入りなさって下さいまし」
手代の常吉が、真っ青な顔で揉手をしながら迎えるのを、眉間に深いシワを刻んだ留五郎はちょいとうなずいただけで、さっさと奥へ通った。
その後から、伝七、竹造、しんがりは顔の売れている岩吉が、小僧達に何か言葉をかけながら続いた。
見世は大戸が下ろされて薄暗く、通された離れの座敷には、お由利の床がまだそのままに、枕辺に一本線香と、水が供えてあるばかり。いかにも血なまぐさい事件のあった家らしく、陰惨な空気が満ちていた。
「旦那、飛んだことでござんしたねえ。折角お宿退りをなすったお由利さんが、こんな不仕合わせな目にあいなさるとア、まったく夢のようだ」