Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate
「あ、そうか。じゃあまってて。先生おくっていくから、歩きながら話しましょう」
いそいで髪をなおしながら、
「竹一さん、中学いつから?」
「あさってです」
その態度はもう、中学生だぞといわんばかりで、手には新らしい帽子をもっていた。磯吉のほうも見なれぬ鳥打帽を右手にもち、手織り縞の着物の膝のところを行儀よくおさえていた。
「磯吉さん、きのう学校休んだの?」
「いいえ、ぼくもう、学校へいかんのです」
そして磯吉はきゅうにしゃちこばり、
「先生、ながながお世話になりました。そんなら、ごきげんよろしゅ」
膝をまげておじぎをした。
「あら、まだよ。いまいっしょにいきますよ」
泣き笑いしそうになるのをこらえながら、つれだって出かけた。バスの乗場までは六分かかる。まん中になって歩きだすと、磯吉はすっぽりと頭を包んだ大きな鳥打帽の下から小さな顔をあおのけ、
「先生、ぼく、あしたの晩、大阪へ奉公にいきます。学校は主人が夜学へやってくれます」
「あらま、ちっとも知らなかった。きゅうにきまったの?」
「はい」
「何屋さん?」
「質屋です」
「おやまあ、あんた質屋さんになるの?」
「いえ、質屋の番頭です。